AI技術は急速に進化し、各企業でも活用方法の検討が加速しています。特に生成AIは、文章生成、画像生成、音声生成など、多岐にわたる領域で活用されています。しかし、その一方で、「生成AIを導入したいけど、どうしたらいいのかわからない」と感じている企業様も多いのではないでしょうか。今回は生成AIの導入ステップについて解説します。
生成AIの導入ステップ
生成AIの導入には、一般的には次のステップが必要です。本記事では、各ステップについて簡単に解説します。
Step1:生成AIで何ができるのかを理解
生成AIは、文章、画像、音声などを生成する能力を持つAIの一種です。自動的に記事を書いたり、ユーザーの指示に合わせた画像を生成したりすることができます。このように、様々なことができる一方で、リスク(※1)も伴うため、各企業での活用事例などを参考に、生成AIができることを正しく理解することが重要です。
※1:リスク等についてはこちらのコラムを参照ください
Step2:業務の中で、何に生成AIが活用できるのかを判断
生成AIの導入箇所を検討するためには、現状の業務を可視化する必要があります。また、この可視化を行うことで、「どの業務にどれぐらいの時間がかかっているのか」を確認することができるため、生成AIの導入による業務削減のインパクトも算出できます。そして、可視化された業務の一覧をもとに、削減工数が大きいところや、属人化等の課題が明確なところから生成AIが活用できるのか検討します。
Step3:生成AI活用のルールを策定
生成AIの活用には、Step1でお伝えした通り、リスクが伴います。そのため、生成AIの活用範囲、活用方法、活用時の注意点などを明確にする必要があります。当社の親会社であるサイバーエージェントでも、独自のガイドライン(※2)を策定することで、社員が安心して生成AIを活用できるように促進してきました。
Step4:具体的に活用する生成AIソリューションの策定
Step3でのルールに基づき、Step2で決めた生成AIの導入箇所に対して、どのような生成AIソリューションを導入するかを策定します。そして、生成AIの導入には大きく分けて2つの方法があります。
① 既に世の中にあるソリューションを導入
市場にはさまざまな生成AIのソリューションが存在しています。そのため、自社のニーズにあったソリューションが既に存在する場合には、それを導入することで、開発コストや時間を削減することができます。
② 生成AIソリューションを自社に合わせて開発
既存のソリューションでは、自社の業務プロセスや自社のセキュリティ要件に見合わない、自社のデータと連携できないなど、要件が満たせない場合もあります。その場合は、自社に合ったソリューションを開発し、導入する必要があります。このような開発には専門的な知識を要するため、外部企業に委託する場合が多くあります。
Step5:生成AIの精度検証・開発
生成AIソリューションの導入には費用がかかるため、実際の業務において課題解決ができるのか、精度検証をすることは非常に重要です。
Step4の①の場合は、SaaSソリューションでの導入となり、基本的にはパッケージ提供のため、精度検証をすることは難しいです。その一方で、Step4の②の場合は、導入企業に合わせたデータを活用して精度検証をすることができます。そのため、企業独自のルールや業界特有の業務には、②のパターンを推奨します。万が一、精度検証において精度が不十分な場合は、データの追加収集、モデルの再選定、パラメータの調整などを行い、精度を向上させることが重要です。精度検証の結果、問題がない場合、開発および導入へと進んでいきます。
Step6:生成AIソリューションの運用・改善
これまでのステップを経て、生成AIソリューションの運用フェーズへ移ります。運用フェーズでは、日々進化するモデルのアップデートやデータの変更、ルールの変更に対応しながら、精度の保守・運用を行います。また、導入後の定着率も非常に重要な運用指標となるため、定着率も測ります。そして、定着率を高め、業務削減の幅を広げていきます。
まとめ
生成AIを導入するには、生成AI独自の専門的な部分から開発など、幅広い知識が必要です。そのため、導入のハードルを高く感じる方もいらっしゃると思いますが、生成AIの導入効果は大きく、業務効率化に伴う品質の向上や新たな提供価値などが生まれる可能性があります。弊社のように、業務の棚卸しから生成AIの活用箇所選定、そして開発まで全て一貫して行える企業にお任せいただき、二人三脚で進めていくことも重要です。お気軽にご相談くださいませ。企業様のフェーズに合わせて最適なサポートをいたします。