■ 検証背景
株式会社カインズ(以下、カインズ)は現在、コールセンターや各店舗でお客様からの問い合わせを受け付けており、お客様からのお声を店舗運営に反映するとともに、問い合わせへの対応をスムーズに行う体制を目指しています。その一環として、コールセンターでの業務効率化を推進しています。そこで、現状の電話対応業務における課題を洗い出した結果、オペレーターがお客様対応時に回答をするための情報を調べる時間が長く、通話時間が長引くことや、電話終了後の問い合わせ内容を顧客管理システムへ入力する時間が長く、次の電話対応に移るまでに時間を要していることが明らかとなりました。そのため、通話時間の短縮と要約の自動化を目指し、生成AIを活用した「AI Messenger Chatbot」と「AI Messenger Summary」による業務効率化の検証を開始いたします。
■ 内容詳細
【通話時間短縮に向けたAI Messenger Chatbot】
通話時間を短縮するため、オペレーターが自己解決できるチャットボットを構築します。このチャットボットは、ChatGPTと連携しており、カインズのFAQ内容や社内マニュアルを取り込むことで、自動でFAQを生成し、カインズに関するあらゆる問い合わせへの回答を行うことが可能になります。また、問い合わせとして多くの割合を占める「各店舗の商品在庫の確認」についても素早く対応するため、将来的には在庫情報が格納された外部のデータベースと連携することで、マニュアルや在庫情報が記載されているサイトなど、複数のデータベースを検索せずにチャットボットのみで情報検索が可能になります。当社が提供する「AI Messenger Chatbot」は、ChatGPTを連携させただけでなく、より正答率向上を目的とした弊社AIチームによる独自技術を搭載しており、このような外部データベースとの連携機能も充実しております。
【要約を自動化するAI Messenger Summary】
商品に関するお問い合わせや、各店舗に関するご要望など、カインズに寄せられる全ての電話を対象に、オペレーターとお客様の会話内容の要約を生成AIで行います。「AI Messenger Summary」は導入企業のオペレーションに合わせて音声データや要約結果の受け渡しを行いますが、今回の取り組みでは、カインズからオペレーターとお客様の会話の録音データを受け取り、当社で音声認識を実施します。これまで電話対応を自動化する「AI Messenger Voicebot」を提供してきた知見を活かし、高い精度での音声認識を実現します。そして、当社のLLMエンジニアがプロンプトを調整し、音声認識結果をLLMで処理し、カインズのオペレーションに合わせた最適な形式で要約を行います。また、要約結果はカインズの要望に応じたcsvファイルで提供します。
■ 今後の展望
当社では、生成AIを活用したプロダクトによるあらゆる業界の業務効率化を加速させ、人が人にしかできない仕事に集中できる世の中を目指し、企業の生産性向上に貢献してまいります。
■ 本取り組みに関するお問い合わせ先